牡鹿半島の素材 ”鹿角”と”漁網の補修糸”でつくられたアクセサリー ”OCICA”
デザイン:NOSIGNER
写真:Lyie Nitta、たかはしじゅんいち
制作:牧浜のお母さんたち
東日本大震災で津波の被害を受けた、宮城県石巻市牡鹿半島の小さな漁村・牧浜集落。
牡蠣の養殖が盛んな土地で、地元の女性達は旦那さんの仕事のサポートとともに、牡蠣むきの作業を行ってきましたが、震災によりそれらの仕事を失いました。
そのような女性たちに、わずかでも収入をもたらすこと、各々の役割としての仕事をつくること、そして、住民同士の交流機会創出によるコミュニティづくり(再生)を目指して、地域資源を使ったアクセサリーづくりをスタートしました。
地元に多数生息する鹿の角と、漁網を修復するために使われる補修糸を使い、ネイティブアメリカンのお守りであるドリームキャッチャーをモチーフにしたデザインのアクセサリー。
悪い夢を食べ、良い夢を運んでくれるようにという願いを込めて、お母さんたちがすべて手作業で丁寧につくっています。そこでの作業と、終わったあとのおちゃっこ(お茶飲み会)は、みんなが集まって笑い合う場所になってきました。
牡蠣養殖が再開し、2013年に新しい牡蠣むき場が完成したこともあり、お母さんたちの多くは本業である浜の仕事に戻りました。諸事情により廃業された方などと共に、現地の変化に合わせて運営体制を変えながら、現在も制作を継続しています。
2012年には、プロジェクトの経緯を記した書籍「OCICA 〜石巻 牡鹿半島 小さな漁村の物語」も出版しました。